気刊びびび

なんか気が向いたら書く。

5月の1month 1music

 1month 1musicの時間になりました。一ヶ月に一曲、おすすめの音楽をお送りするこのcorner。先月は黒木渚の「君が私をダメにする」をselectしました。今月はどの曲が選ばれるのか。さっそく行ってみましょう、here comes the last month music!(低めの声で、英語の部分だけめっちゃ流暢な感じで)

006 - omb

 omb(オム)は小松桂によるアンビエント・エレクトロニカのソロプロジェクト。クリックやグリッチなどのノイズを多用しながらも、ミニマルな主旋律は風鈴か氷柱のように澄んでいて、両者の涼やかな調和が心地よく響く。2002年に1stアルバム『oral/method』を発表。細野晴臣の目にとまり、2004年には細野の主催するdaisy worldから2nd『Colorfield』をリリースする。しかしその後は新作の知らせもないまま、2枚のアルバムも廃盤して今に至る――。

 というところで、大ざっぱなombの説明をしました。主旋律は長くても4小節、大抵は1~2小節の繰り返しというミニマルで、そこにクリック音やグリッチノイズ、ビープ音や生楽器のサンプリングなどが最初は控えめに、小節数が進めば進むほど賑やかに重なっていき、危なっかしくも絶妙なバランスで音楽を作り出している。といってノイジーなわけではない。どこか心の落ち着く、静やかでメロディアスな環境音楽なのだ。インターネット上には「雪の降る光景をノイズとエレクトロで描いたような作風」「ブリキのおもちゃのような音楽」などという評価もあり、それを見るだけでもおぼろげながらどんな音楽なのかが分かるのではないだろうか(分からん)。

 2枚のアルバムを俯瞰してみると、2ndはメロディに重点が置かれ、主旋律の複雑性やループ長でも1stとは一線を画している。あまり的確な表現ではないだろうが、1stの方がどこか荒削りという印象も受ける。そんな中にあって1stの「006」のすごみはどうだろう。ほぼ全編にわたって、主旋律はわずかに2音の繰り返しにすぎない。しかしそれを毎拍貫くポップノイズが緊張感を添え、時間が経つにつれて派手になっていくサンプリングも相まって、主旋律の単調さからは想像もできないほど退屈知らずの曲になっている。

 さて、前回の1music 1monthでは試聴用にYouTubeの公式音源のリンクを張ったが、今回はそれがない。というのも、マイナーの定めか、インターネットのどこを探してもombの音源が聞ける場所は存在しないのだ。だからみんなもCDを買ってくださいね、で片付けられるかというとそうでもなく、先述の通りCDも廃盤、簡単に音源が手に入る状況ではない。と、いうのがちょっと前までの状況だった。

 本当にいい時代になった。お手元のiTunesをお開きください。iTunes Music Storeでombの1st『oral/method』を買うことができるんです。しかも試聴まで! 小さいころ、テレビ東京系列が映らなくてアニメが見れず、悔しい思いをしていた。ニコニコアニメチャンネルやバンダイチャンネルが出てきたとき、どれだけ嬉しかったか。それと似たような感覚を、iTMSでの取り扱いに気づいたときに感じたよ。残念ながら2ndの『Colorfield』の方は取り扱われていないようだけど、『oral/method』だけでも聞く価値は十分にある。

oral/method

oral/method

  • OMB
  • エレクトロニック
  • ¥1500