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気刊びびび

なんか気が向いたら書く。

マッチについて

思ったこと

 何も書くことがないので、マッチの話でもします。棒の先端に薬剤が付いていて、摩擦によって燃焼を起こす方のマッチです。

 マッチの香りって好きなんですよね。ライターとかチャッカマンにはないあの香り。お香を焚くのが好きというのは以前も書いたかと思いますが、その時もやはりマッチを使う方がよりよい。なんでかなって考えた時に、一つ思い当たるのは、祖父母の家でお線香を上げる時に用いていたのがマッチだったということ。思い出補正でもあるんかな。

 僕は小さい頃、とにかく祖父母の家でお経を上げるのが好きだった。自分の家には仏壇がなかったから、物珍しいというのもあったんだと思う。帰省したら絶対一日一回は仏壇の前に正座して、マッチを擦り、ろうそくに火を点して、線香に火を移し、両手を合わせて「がしゃくしょぞうしょあくごう……」と唱え始める。別に信心深いとかそういうわけでは一切なく、単純に一連のプロセスを踏んでいくのが楽しかっただけなんだと思う。子供は大人の真似をするのが好きだから。意味も分からない難しそうなことば=お経を読むのは、確かに見渡してみて目につく中では最高の「大人」っぽい行動なんじゃないだろうか。

 僕がお香が好きなのも、多分根は同じ。おばあちゃんちで毎日お経を読んでた時のあの香り、あれを求めてるんだろうな。そんなことを考えながら、マッチを擦る。ジュッという摩擦音のあと、ぼっと炎が立つ音がフェードイン、かすかに木の爆ぜるような声も聞こえる。そして、鼻につんとくるような薬剤の匂い。懐かしい感じがする。