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気刊びびび

なんか気が向いたら書く。

MADニュースならぬMADラップ

見つけたもの

 MADニュースというものがめちゃくちゃ前に流行ったよね。ニュース番組の音声を切り貼りして無茶苦茶なニュースにするというアレ。ネットから生まれた文化かと思い込んでたけど、調べてみたらもとはラジオ番組「タモリのオールナイトニッポン」が発祥っぽい。「NHKつぎはぎニュース」というコーナーで、視聴者がMADニュースを投稿するリスナー参加型企画だったそうだけど、無許可だったためNHKからクレームが来て終了したんだとか。いつ終了したのかまでは見つけられなかったけど、「初期のコーナー」という記述があることから、おそらく1970年代中には終わったんじゃないかな*1。まだインターネットどころかパソコン通信すらない時代だ。

 その後、もともとある音声を切り貼りするんじゃなくて、一から作った無茶苦茶なニュース原稿を本職のニュースキャスターに読ませるという金のかかった代物も出てきた。「伊集院光の深夜の馬鹿力」というラジオ番組のコーナーで、こちらは1996年の1月が第一回らしい。これもネットで登場したMAD文化の影響を受けてのものかと思ってたけど、違うっぽいね……。さすがに1996年以前にパソコンで音声加工してネットにアップロードして、それがラジオ局の目にとまるくらいの評判になるなんてことは考えにくい。MADニュースというものを知ったのが2003年頃のFLASH黄金時代だったから、なんの疑いもせずインターネットのお兄ちゃんたちが作ったものだと思い込んでた。

 で、それはどうでもよくて、この間見つけたこれ。なんかラップ好きとしてはすごく面白かったのでぜひ紹介したくなった。

www.youtube.com

 アメリカ・NBCの有名ニュースキャスターBrian Williams*2の音声をつぎはぎしてラップを歌わせるという、なんとも無茶な映像。ところがものすごい高クオリティになっているのが目を見張る。ちなみに元ネタになっているのはThe Sugarhill GangというユニットのRapper's Delightという曲。世界で最初にリリースされたラップシングルとも、世界で最初に商業的成功を収めたラップ曲ともいわれるクラシック*3で、この曲をリスペクトした作品も数多い。言ってみればラップの原典で、それを超有名ニュースキャスターの音声を使って再現する。なんなんだこれは。

www.youtube.com

 調べたところ、これは同じくNBCのバラエティ番組The Tonight Showの企画で、オレっちの局のあの有名キャスターにラップを歌わせてみたぜ、という感じのものらしい。The Huffington Postの記事があったので貼っておく。どうでもいいけど、この記事からリンクされている「リップシンク合戦」という記事も同じ番組の企画を紹介したもので、流れている曲に合わせて上手く口パクして、いかに本人が歌っているように見せかけるかという企画だそうだ。楽しいことを考えるね。

www.huffingtonpost.com

 リンク先からは他にもいくつかのBrian Williamsのラップを見ることができるし、YouTubeで「Brian Williams Rap」と検索をかければ山ほど出てくる。そんなにたくさん作ったんだね、番組スタッフ……。ラップに詳しくない人でも、真面目そうなニュースキャスターがつぎはぎでラップを歌ってる光景はかなり面白いものがあるので、みなさん一見の価値はあると思う。

*1:「タモリのオールナイトニッポン」は1976年から1983年まで放送された。

*2:ニュース番組NBC Nightly Newsのアンカー。TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこともあるそう。日本で言うと全盛期の久米宏と筑紫哲也と逸見政孝を足して1.08を掛けた感じだろうか……。

*3:『文化系のためのヒップホップ入門』(長谷川町蔵・大和田俊之)には、この曲のリリックはThe Cold Crush BrothersのGrandbrother Cazという曲の「丸パクリ」だったという記述があるほか、THE FATBACK BANDのKing Tim Illの方がリリースは数週間早かったが、もともと他ジャンル(ファンク)で活動していたバンドのため数に入れないことが多い、との記述もある。