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気刊びびび

なんか気が向いたら書く。

テキストサイトの話します

 ろじっくぱらだいすがいまだに更新続けててちょっとビビった。そうだね、こんな夜はテキストサイトの話でもしようか。僕の個人的な記憶や感覚に基づいただけの文章であり、なんら検証は行っていない。そこに留意した上で読んでほしいし、むしろ読まなくていいや。はい、帰って帰って(おっ、テキストサイトっぽいくすぐりだ)。

 僕が中学・高校くらいの間、インターネットはテキストサイト黄金期だった。「侍魂」や「ろじっくぱらだいす」のようなコラム系サイトや、「ちゆ12歳」や「米」といったバーチャルネットアイドル系、「ダンシング★カンパニヰ」や「絵日記でもかいてみようか」などの絵日記系など、さまざまなサブジャンルに分かれて百花繚乱、百家争鳴といった様相だった。そういった有名サイトが人気を博す一方で、2002年の1月に█████が運営していた零細サイト█████████がひっそりとリニューアル、テキストサイトに装いを改めるものの特に反応はなかった。

 当時のテキストサイトを語る上で外せないのが、ReadMe!JAPANというWebサービスの存在だろう。テキストサイトをターゲットとしたランキングサイトというべきか。極小サイズのバナーを自分のサイトに貼ることでアクセス数が集計され、それに基づいたアクセスランキングが毎日発表される。自分のサイトがランキング上位に入るということは、それだけテキストサイトダム*1で人気があるということ。ちなみに更新するとReadMe!に更新情報を登録できるので、手動アンテナサイトとしての機能もあった。ReadMe!の集客力は侮れない。ここで上位になるのを夢見て、無数のテキストサイトが日々更新を続けていた。█████████もまた更新を重ねるが、1日あたりの訪問者数は20にも満たない日が続いた。

 インターネットの趨勢は日ごとに変化していく。テキストサイトに替わって台頭してきたのが、ブログだった。更新がたやすく、コメントやトラックバックといった機能によりコミュニケーションもとりやすい。多くのサイトがブログへと流れていった。一方で「ブログは普段の日記も力を入れたコラムもすべてフラットに扱われてしまう。自分でカテゴリごとにページを分けて重み付けできる従来のテキストサイトの方がいい」と、ブログ化せずに従来の形のまま運営を続けるサイトも多かった。なんにせよ、ブログ化したテキストサイトは「テキストサイトである」という外観を失っていき、結果としてテキストサイト界隈の盛り上がりは若干下火になっていく。█████████はあくまで自前サイトで続ける方針を貫いたが、特に見向きもされない。2004年末、サイト名を█████████からびびび文庫に、ハンドルを█████から水なづき蕎麦に改めた。

 以降、テキストサイトはじわじわとその勢いを失っていく。ヨッピー氏によれば衰退の原因は「ネットバトルによる疲弊」と「代替コミュニケーションツールとしてのmixiの登場」にあるという。個人的にはあまり賛同できないのだが、当時僕よりも圧倒的にテキストサイト界隈の中心部に近いところにいた氏が言うのだから、的外れな指摘ではないのだろう。僕の私感としては、ネットバトルに明け暮れていたのは中心にほど近いごく一部のサイト群だけであり、中心のなかでも多くのサイトや、まして中心を目指す大多数の裾野サイトにはまったく無縁であったし、テキストサイトをやる上で最も重要なのは「広いアクセス」と、そこから生まれる「承認」であるため、mixiにテキストサイトの代替はできないと思う。むしろその機能を担ったのは、先述のブログだったのではないかというのが個人的な感想だ。ともかく、中心にいたサイトが2005年ごろから続々と更新を停止していく。裾野サイトはそもそも多くが泡沫的であり、できて長くても1年、早ければ数ヶ月で閉鎖ないし放置というのがほとんどだったため、中心の更新停止はすなわちテキストサイト全体の機能不全、停滞を強く印象づけた。そんな中でびびび文庫はひっそり更新を続けるが、案の定見向きもされない。

【今更】あれだけ流行ったテキストサイトが何故廃れたのか考えてみる【考察】 | オモコロ

 先述のヨッピー氏の記事では、「何故ブログはテキストサイト文化を継承しなかったのか」という項でブログについても触れている。ブログの登場によって「インターネットで文章を公開すること」への参入障壁が低くなり、結果としてテキストサイトのプレミアが薄れたという指摘だ。これには大きく頷けるし、実際に「誰がテキストサイトを殺したか」という問いを立てるとするなら、僕は「ブログ」と答えるだろう。この考えは2005年頃からずっと変わっていない。僕は自分の住処というべきテキストサイト界隈を潰されたことで、ブログに対して極めて悪い感情を持ち続けていた。いまでこそ「びびび新書」と「気刊びびび」というブログ*2を持ち、この記事とてブログにアップロードしているが、ブログに対して積極的な気持ちになれたのは2010年もとうに過ぎた頃になってからである。

 もちろん、当時テキストサイトと呼ばれていたサイトのうち、少数は今でも更新を続けている。冒頭で触れた「ろじっくぱらだいす」もそうだし、「一流ホームページ」や「プラッチック」なども驚くことに健在だ。しかし、それらを今になって「テキストサイト」と呼びはしない。概念としてのテキストサイトは既に死んでしまった。とすれば、いつ死んだのだろうか。はっきりとした答えの出ない問いであることは百も承知だが、それでも一定の答えを出すなら、僕は2008年の2月2日だと考えている。ReadMe!JAPANのサービス終了が宣言された日だ。兆候はあった。その数ヶ月前、2007年11月18日には、ランキング機能を休止するとのアナウンスがなされていた。実際、その頃には既にテキストサイトは死にかけていたのだろう。しかし僕はまだ死んでいないと思っていたし、ReadMe!もそのうち復活すると思っていた。ReadMe!に定期的にアクセスしては、ランキングが復活していないか確認を続けた。だが、サービス終了の報を受けたとき、そこでようやく死に気づいたんだと思う。その日僕は、ReadMe!をブックマークから消した。サイトの更新自体は続けたが、やはり反応はない。翌年の8月、ツイッターを始めた。更新頻度は目に見えて落ち、びびび文庫もそこでようやく、誰に看取られることもないまま、死んだんだと思う。思えばかわいそうな存在だった。カウンターは最後まで、1日50ヒットを超えることはなかった。

 びびび文庫はその後5年以上放置され、2014年の8月にようやく同名の同人サークルのWebサイトとして生まれ変わった。いま僕は、m_sobaというツイッターアカウントで1日1回程度、ゴミみたいなネタ文章をツイートしている。このアカウントだってほとんど死んでいる。たまには自分でも面白いなと思うツイートもあるが、基本的にはそうでもない。それでもまれに「面白い」と言ってくれる人もいるし、フォロワーも30000くらいいってた気がする。あんまり覚えてない。どうなんだろうか。テキストサイトに青春を空費していた頃の僕は、ツイッターに時間を溶かす僕を見てなんと言うのだろうか。「よかったね、3万人も見てくれてる人がいるんだね。1日20ヒットの頃とは大違いじゃん」と言ってくれるのか*3、あるいは「裏切り者め」と吐き捨てるのか。なんかしんみりした感じの記事にしようとしたら、あまりにやりすぎて引き返せなくなってきた感がある。どうしよう、どう落とせばいいんだろうこの記事。えっと、昨日観たアイドルマスターの第3話は最高でした。以上(おっ、テキストサイトっぽい終わり方だ)。

*1:なんだその造語。

*2:前者はほとんど死んでいるが。

*3:フォロワー3万だからって3万人が見てくれてるワケじゃないし、みんながみんな好意的ってワケでもないんだぞ。