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気刊びびび

なんか気が向いたら書く。

読んだ同人誌の感想

感想

 リリカルマジカルほかで手に入れた同人誌の感想をTwitterで書いてたんだけど、140字に収めるにはいろいろ無理があることを実感したので、改めてここに書いていこうと思う。僕は感想文を書くのが下手だと認識してるし、大学SF研のレビュー記事を書くのも本当に苦手だった。なのでまあ、その、そこら辺アレしながら読んでくれると、その、助かる。助かりたい。

真夜中救世主

 リセットポインタ発行、リリカルなのは本。リセットポインタさんは叙情的な表現のすごく上手いサークルで、例えば前作の『初恋地獄』ではお互いに女の子同士で初恋同士のなのはとフェイトが「外で手をつなぐことも腕を組むことも平気でできる」のに「キスだけはずっとかくれたまま」している。それでもたくさんキスをする二人の姿は幸せそうに見えるが、女性同士の恋愛にどこか不安を覚えてもいて、「初恋は叶わないっていうけど迷信だよねえ」というセリフがそれを本当に上手く表している。今作の『真夜中救世主』もそういったなのフェイ本だと思って読んでいたら、最後のコマを見てストーリーに埋め込まれた「仕掛け」に気づき、衝撃を受けた。ネタバレになるので詳しくは書かないけど、「やられた」というような思いだ。「仕掛け」を踏まえて再読すると、初読時とはまったく違う光景が見えてくる。「地球もミッドも星の位置は変わらないのかなあ」「重ねて比べてみたい気もするし、知らないままでいたい気もする」という掛け合いは、初読時にはなのはとフェイトの近くて遠い距離を暗示しているのかと思ってたけど、まったく違うものを意図していたことが分かる。そして、終盤の「あなたはとってもいい子だね」と言うセリフがまぶたを焼く。

『真夜中救世主』
サークル:リセットポインタ
著者:既望空音
発行日:2014年11月24日
ジャンル:魔法少女リリカルなのは
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うちにはくまがいる。

 黎明ネルトリンゲン発行、オリジナル本。主にリリカルなのはで活躍されているサークルさんで、オリジナル本だとヘッドホンやオーディオ趣味の少女たちを描いた「hdp」というシリーズもあるけど、今回は(おそらく)単発の作品。小学生女子の家にある日突然、なぜか熊があらわれ、そのまま成り行きで同居するというストーリー。あらすじだけ見ればまあありがちと言えなくもない感じなんだけど、実際に読んでみると強いオリジナリティを感じる。まず、とにかく熊がリアルだ。2コマ目には熊が廊下に現れるんだけど、女子小学生の代わりに対峙しているのがイヌイットだったら、もう完全に違うストーリーになるレベルのリアルな熊。なのに紳士的で、女子小学生に対して熊は敬語でしゃべる。ていうかしゃべれるのかよ。その上どこか人間の感覚とズレていて、そのあたりがシュールな笑いを誘う。異文化交流ものの一種というべきなのかな。ほんわかといい話で、絵柄もストーリーもキャッチーなためすんなりと引き込まれることができる。とはいえ、二人(?)の奇妙な同居はその導入部くらいしか語られていないので、ぜひ続きも読んでみたい。

『うちにはくまがいる。』
サークル:黎明ネルトリンゲン
著者:稀周悠希・黒井みめい
発行日:2014年11月23日
ジャンル:オリジナル

待て!早まるな

 テクノストレス発行、オリジナル本。作者は以前コミックジーンで『そこにいたの西山さん』という作品を連載している。特に同人誌ではポップさを失わない程度にグリッチを聴かせた、一風変わった設定を持たせるのが得意で、例えば『今終末』は告白を断られるたびに世界を書き換える女の子の話なんだけど、メタフィクション的な表現や書き換えのたびに起こる変化が、通常のループものとの差を引き出している。pixivで連載していた「薔薇ケ崎さんの体液が美しい」は、感情が高ぶった状態だと涙や汗、血などの体液が花になる体質の女の子が出てくる。こっち、続きはもう描かれないのかな……。さて、今作「待て!早まるな」は「彼女ができないから」「キスしたと友人に嘘ついちゃったから」とホイホイ自殺しようとする悲観的な男と、そのたびに毎回焦って「待て!早まるな」と言い、彼女になってやったりキスしてやったりと身を挺して自殺を止めようとする女のラブコメ(?)になっている。ドタバタ感が強く、テンポのいい展開は痛快。というかこのタイトル、実際に早まってるのは女の方なんだよなあ。

『待て!早まるな』
サークル:テクノストレス
著者:U-temo
発行日:2014年11月23日
ジャンル:オリジナル
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なのセント廃課金兵はやてちゃん

 どみなり屋発行、リリカルなのは本。このサークルさんの本は初めて買った。絵柄がかわいい。もし今までも全年齢で*1コミケなどでなのは本を出してたんだとすれば、とんだ不勉強である。さて、この本はもうタイトルですべてが語られているとおり、はやてちゃんがソシャゲにドハマリしてしまう話だ。あまりに課金しすぎて生活費すらなくなり、ヴォルケンリッターは死屍累々となっているのに、はやてちゃんには悪びれる様子もなく誇らしげですらある。金に汚かったり腹黒かったりする役回りって大体はやてちゃんの担当になることが多い気がするんだろうけど、なんでなんだろうね……。関西人だからなのかな……。ギャグマンガとしての完成度は高く、すらすらと笑いながら読める。そしてオチが非常に秀逸で大笑いした後に、満足してページを繰ると、なぜかそこにはリリカルなのはINNOCENCEの年表が。いつどの機能が実装されたか、いつどのイベントが開催されたかなど、非常に資料価値の高い年表になってはいるんだけど、思わず「いや、その年表必要ないやろ!」と突っ込まずにはいられなくなる。隠された大オチに再び笑うという寸法だ。よくできている。

『なのセント廃課金兵はやてちゃん』
サークル:どみなり屋
著者:謎のモノバイル
発行日:2014年11月24日
ジャンル:リリカルなのは
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*1:リリカルなのはは性的な目で見れないので、成年向けは買わないようにしてるんだ……。